top of page
  • 執筆者の写真decce

カラーモードのはなし(RGBとCMYK)

更新日:2018年8月22日

入稿時に気をつけて頂きたい『カラーモード』についてのお話を書かせて頂きます。

知っている人は、そんなの当たり前じゃ~ん!と思うお話かもしれませんが、カラーモードって何?という方も多いはず。


前回も書かせて頂きましたが、ネット上には分かりやすい解説が山ほど載っているので正直そちらへリンクを張りたいくらいなのですが、そういうわけにも参りませんし、かといってコピペみたいなページでもつまらないし…ということで、これを書いている人間は「何も知らなくても読むと何となく分かった気になれるコラム」を目指して書いております。

ここはどうなの?つまりどういうこと?と思った方は、ちょこっと調べてみたり、メールやTwitter等でお気軽にご質問くださいね。



ずばり、画像の色にはモードがございます。(そのまま)

RGB、CMYK、グレースケール、……


基本的に、フルカラーで印刷をする場合、ご入稿頂きたいのは『CMYKカラー』のデータ。

ですが実際にはモードの変換が難しいという方も多くいらっしゃいます。


どうしたらいいか分からないよ~!という方。

デッセではお手持ちの画像をそのまま送っていただいても大丈夫です。

RGBの画像でも、こちらでCMYKに変換して印刷をさせていただいております。


ですが、カラーモードを変換すると、画像の色味が大きく変わってしまう場合があるのです。私たちとしてはもちろん「あれれ、なんだかパッとしないな…」なんてガッカリされたくない…。けれども画像によって、どうしても色が変わってしまいます。


そこで特に変わってしまいやすい色や、どうしてそうなってしまうのかについて、少し知っていただければな~と思います。




RGBとCMYKってそもそも何?



でもどっちも同じ『色』でしょ?何で変わっちゃうの?と思われる方もいらっしゃるでしょう。

この二つは「色の三原色」と「光の三原色」だと思ってください。





そもそも色というのは、簡単にいってしまえば「光」。

私たちの目というのは光を感じる器官で、だから暗いと何も見えなくなってしまうのですね。


雨上がりに虹が見えるとちょっと嬉しくなりますけれども、あれは太陽の光が空気中の水滴に当たって屈折・反射することで光が分解されて、色々な色が見えるのです。つまり太陽の光の中にはいろいろな色の光が混ざっていて、例えばリンゴにその光が当たると、リンゴはその中から赤い光を跳ね返すので、我々の目にそれが跳ね返ってきて、リンゴは赤く見えるわけです。(ざっくりそんなかんじ)


さて、色を表現するときには、二つの方法がございます。

  • 色の光を出しちゃう方法(テレビなどのディスプレイ)

  • 色の光を反射させる方法(印刷物など)


テレビはそのものが色を出していますが、印刷物は白い紙にインクを塗って、色の光を反射させているわけです。だからまったく当たり前のような話ですが、印刷物は光のない暗いところでは見えませんね。あるいはトンネル中のような、オレンジ色の光の中で見た時…、カラフルな印刷物がどんな風に見えるか分かるでしょうか。


ちょっと話が脱線いたしましたが…


ズバリ、ディスプレイはRGB(光の三原色)

対して印刷物はCMYK(色の三原色)です。




それでRGBって?


光の三原色は『赤』『緑』『青』の三色。

Red、Green、Blue…『RGB』とはこれらの頭文字です。


昔のブラウン管テレビを近くで見ると、赤と青と緑の細かい点がみえましたよね。

今のなめらかに見える画面も、よ~く見るとやはり小さなドットで出来ています。テレビやPCのモニター、スマホ、デジカメなどの画面の色は、いくつかの色の『光』を組み合わせて表現されているのです。


光の三原色は全部合わせると白色になります。白い太陽の光が空気中の水分に当たって分れると虹になる、これと逆のことが起きている訳です。


黒が綺麗なのがウリのテレビがございますが、これは光の三原色において、どの色の光も付けないことが黒だから。液晶テレビはパネルの裏からバックライトで光を当てて画面を表示しているため、どうしてもうっすらと白みがかって、真っ黒というのはなかなか表現が難しいのだそうです。


現在のコンピューターは、「R」「G」「B」それぞれの値に0~255までの数字をふって、画面の細かい色の点を光らせることで色を表現しています。例えば全ての値が0なら何も光らずに黒、全ての値が255なら全てが光って白ということになります。『RGBカラーモード』というのは、画面に表示させるための画像の形式なのです。




じゃあCMYKは?


さて、では『CMYK』とは…。

Cyan,Magenta,Yellow,Key plate…

シアン、マゼンタ、イエロー、キープレート(≒黒)の頭文字です。

これはズバリ、印刷機のインクの色


シアンとかマゼンタ、もしかするとプリンターに触らない方は名前だけ聞いても、どんな色なのかなじみがないかもしれませんね。家庭用のプリンターをお持ちの方であれば、四種類のインクを買うことがあると思います。


色の三原色は、『シアン』『マゼンタ』『イエロー』の三つ。

…あれ、学校だと「赤、青、黄色」って習ったけど…という方、私もそうだったのですが、多分、分かりやすいように赤と青にするのだろうと思われます。


理論上はCMYの三色を混ぜれば黒になるのですが、技術的に、実際には少し茶色っぽい黒になってしまうため、墨(K)を使うのだそうです。


商品によって違う場合もありますが、牛乳パックの飲み口と反対側を開いてみると、CMYKの4色が印刷されているのを見ることができます。あとは新聞のはしっこにも小さく、この4色のインクが印刷されているはずです。フルカラーの印刷機であれば、家庭用でも業務用でも、インクは大抵この四色。


光の三原色とは反対に、色の三原色は混ぜると黒になります。


絵の具って、色々混ぜるとどんどん濁って、最後は黒っぽくなりますよね。絵の具もインクも同じで、色というのは混ぜればどんどん濁っていくものなのです。この感覚は意外と大切。


CMYKカラーモードでは、このCMYKにそれぞれ0~100%の数値をふって色を表現します。

CMYKのプリンターで赤色を塗るためには、マゼンタを100%、イエローを100%、ここに塗ってね~と印刷機に指示する訳です。


つまり、RGBがディスプレイの細かい色の点に「この色をこれだけ光らせてね」と指示するための数字であるのに対し、CMYKはプリンターに「この色をこれだけ塗ってね」と指示するための数字なのです。

RGBモードとCMYKモードが全然違うこと、お分かり頂けただろうか…。



左の図は暗闇の中でカラフルなライトを付けている所、右の図は白い紙にインクを塗ったところ…に見えてきましたか?




で、つまり?


この二つは、表現できる色が違うのです。

もし先ほど牛乳パックを開いてみてくれた人は、シアンのインクというのがどんな色か分かるかと思います。


牛乳パックを開いていない方のために、シアンのインクというのは大体こんな色です。


さて、この色より鮮やかな、例えばこんな色。



先ほども書いたように、インクというのは混ぜれば混ぜるほど濁っていきますから、シアンのインクを他のインクといくら混ぜても、こんな色は作れません。

このようにディスプレイ上(RGB)では表現できる色でも、CMYKのインクでは作れない場合があります。


RBGの画像を頂いた場合はこちらでCMYKに変換して印刷するのですが、こういったCMYKで表現できない色は変換すると、どうしてもくすんでしまうのです。

なんとこんなに色が変わってしまいます!ひえ~。


デッセはどちらかといえば皆様にお手軽にオリジナルプリントのグッズを作っていただきたいので、あまり細かいことは言わずにいただいたデータをプリントしてお届け!というのが基本です。あまりに問題があるように感じた場合にはご連絡を致しますが、基本的には頂いたデータをそのままプリントいたします。


CMYKのインクでプリントをする以上、RGBの鮮やかな色は少しくすんでしまう、というのはご了承ください。可能であれば、印刷物はCMYKでご入稿することをお勧め致します。



鮮やかな色は特に注意!


イラスト等の場合は特に、自分で色を選んで塗っているわけですから、鮮やかな水色のつもりがくすんだ色合いに…となってしまうと残念ですよね。CGイラストにありがちなビビットな色は、印刷するとくすんでしまう場合が多いのです。ブラウザ上では綺麗に見えるカラーイラストでも、印刷には不向きな場合がございます。


鮮やかなつもりの色、特に注意が必要です。


ということはインクを意識すれば色選びがワンランクアップ!(かもしれません~)

鮮やかにしたい部分はあまりインクを混ぜないように…と、プリントすることを前提にした色塗りをすると良いかもしれませんね。やはりイエロー100%のデータはかなり派手!

インクは混ぜれば濁っていくものですから、特に鮮やかにしたい部分は、あまりインクを混ぜ過ぎないことを意識してみてください。


と、ちょっと偉そうに言ってみておりますが、印刷するときには四種類のインクで印刷すること、ぜひ頭の片隅に置いてみてくださいね。




写真の場合も、加工する際には注意が必要です。RGBモードのまま加工すると印刷結果がイメージと変わってしまうかも…。可能であればやっぱり印刷する画像はCMYKモードで作成するのがGOODです。




それで結局どうしたらいいの?


何度も書いておりますが、可能であればCMYKモードで画像を作成して頂くのが一番

今はフリーソフトでも、CMYKカラーでどんな風に見えるか確認することができる機能があったりしますから、ぜひチャレンジしてみてくださいね。(そういうソフトについても、そのうち記事でご紹介できればな~と思っております。)


変換できないからそのまま受け取って!という方は、インクではどうしても表現できない色があることをご了承くださいね。




まとめ


さて、カラーモードについて、ちょっとでも理解を深めて頂くことができたなら良いのですが…。今回の内容をまとめてみたいと思います。


・まず、画像にはカラーモードというものがある!

◆画面に映っている画像は「RGB」⇒パソコン等の画面はRed,Green,Blueの『光の三原色』を組み合わせて表示しているから。

◆印刷用の画像は「CMYK」⇒フルカラー印刷機のインクはCyan,Magenta,Yellow,Key plateの4色を使っているから。



この二つは表現できる色に差があるため、RGBからCMYKに変換すると色がくすんでしまう場合がある!


・モードの変換ができない場合デッセではそのままの画像でOK。ただし色がくすんでしまう場合があることはご了承を。

・印刷物のデータはCMYKモードで作成するのが一番!ぜひ挑戦してみてくださいネ。

・色選びの際、インクを意識するだけでも違うハズ!


以上、そんな感じのお話をさせていただきました。

少しでも、「カラーモード」について理解が深まったようでしたら幸いでございます。




余談


じゃあ、ビビットな水色のポスターって絶対作れないの…?

そんなことはございません。CMYKのインクでは表現できないのですが、印刷機には「特色」と呼ばれるものがございます。


ちょっとおしゃれなチラシやポスターなどで、金色の印刷を見たことがあるかもしれませんね。ああいうのは、金色のインクを使って印刷しております。


牛乳パックを開いてみると、CMYK以外のインクが載っている場合もございます。要はCMYKで表現できない色は、その色のインクを用意して印刷すればよいのですね。


弊社ではできませんが、印刷所によって色々な表現方法があるので、気になった方はぜひぜひ調べてみてくださいね。ものづくりって面白い!そんな風に思っていただければ嬉しく思います。


以上、カラーモード(RGBとCMYK)のお話でございました。


閲覧数:780回0件のコメント

最新記事

すべて表示
bottom of page